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みんなでプロジェクトを応援! 「東ティモール エルメラ県アッサベ郡 野菜の栽培環境改善事業」(公益財団法人ケア・インターナショナル ジャパン)

「フェリシモ 地球村の基金」が今年支援したい9つの自立を支援するプロジェクト。その中から、世界をよりしあわせにするためのプロジェクトの1つをみなさまにご紹介します。

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はじめまして。ケア・インターナショナル ジャパンの高木です。私たちが活動をしているエルメラ県の貧困率は東ティモール全14県の中でも2番目に高く56.7%にもおよびます。特に、南部のアッサベ郡は県の中心部からも離れ、公共サービスへのアクセスにも困難が伴う山間地。住民の大多数は零細農業を営んでいます。

この地域の農業の生産性は低く、人々の生活は困窮を極めています。背景には、気候変動に伴う天候不順、そして乾季の水不足が挙げられます。人々の生計手段を多様化し、少しでも生活を改善していくためには、この水不足の問題を解決することが喫緊の課題です。

そこで、私たちは、乾季の水不足が顕著なアッサベ郡の12集落の農民グループ計291人を対象に、約3年間の計画で、農業設備の改善や技術支援などを行っています。これにより、従来からの雨季の天水に頼った穀物栽培だけではなく、年間を通じて人々が野菜など多様な作物を含む農業を実現できるようになることを目指しています。

そして、東ティモールでは、水汲みや畑への水やりなどは女性の仕事。実は、農業設備の設置は、このような女性農民たちの労働負担の軽減にもつながっています。

具体的には、次の4つの活動が含まれます。

(1)農業用水設備の整備
水源を保全し、貯水タンクを設置。また水源から農地に水をひき、畑には点滴灌漑設備を敷設します。この一連の造成工程を農民グループが主体となって、周辺住民の協力も得ながら進めていきます。これにより、乾季の野菜栽培も可能になります。

(2)簡易ビニールハウスの設置
併せて、雨季でも野菜の栽培ができるようにすることで、野菜の通年栽培を目指します。雨季に特有の豪雨や強風、害虫被害などから、作物を守り育てることができるよう、農民グループの共有農地に簡易ビニールハウスを設置します。

点滴灌漑とビニールハウスを設置した農地に野菜を作付
(※写真のビニールハウスの枠組みには竹が使われていますが、より強度を高めるため、新たに設置するビニールハウスではメタルフレームを用います)

(3)設備を維持管理していくための能力強化研修
上記1)2)のハード面の整備と並行して、これらを農民グループが事業終了後も維持管理していけるように、土壌管理研修、保守修繕研修、修繕費の集金・管理研修等、様々な研修を通じて人々の能力強化を図っていきます。

(4)ジェンダー平等の推進
この活動は、農業用水設備やビニールハウスを設置するだけではありません。女性は農業においても、家庭においても、重要な役割を担っているにも関わらず、伝統的に農民グループ活動への参加や、大切な情報へのアクセスが非常に限られています。そこで、私たちは、このような女性農民も様々な活動に積極的に参画できるように支援しています。例えば、女性のリーダーシップ研修のほかにも、男性メンバーも巻き込んで、社会的文化的に植え付けられた無意識の性的役割分担について気づきを促すジェンダー分析ワークショップなどにも力を入れています。

〈主な活動内容〉

雨季の穀物栽培しかできない農民にとって、通年を通じた野菜の栽培が実現することは、大きな進歩です。雨季、乾季、それぞれ農業を営む上での課題はありますが、フェリシモ地球村の基金の助成金は、特に雨季の野菜栽培における課題を解決するために大切に使わせていただきます。

具体的には、「簡易ビニールハウスの設置」にかかる費用に充当します。ビニールハウスは、雨季に特有の豪雨や強風、害虫被害から野菜を守ってくれる役割を果たします。

既に、私たちは2021年から2022年にかけて、12の農民グループの共有農地への設置を進めています。フェリシモ地球村の基金によるご支援によって、これらグループのうち、9グループが新たに開墾して拡大した共有農地においても、追加的にビニールハウスの設置が可能となります。

共有農地の標高や土壌の質に応じて、からし菜、高菜、青梗菜、レタス、なす、トマトなど多様な野菜を栽培去年の成功体験をもとに、今年は農地をさらに拡大し、より多くの野菜栽培に意欲的な農民メンバー

〈期待される効果〉

農業用水設備と簡易ビニールハウスの設置が終わった共有農地では、年間を通じた野菜の栽培が行えるようになっています。そして、今では栽培する野菜の種類や数量を増やせるようになりました。多様な野菜の収穫と自家消費が可能になり、人々の栄養改善も期待されています。

さらに、うれしい効果も生まれています。収穫した野菜のうち自家消費分を除いた余剰分を、近くの市場や学校給食として販売し現金収入を得る農民グループも出てきました。初めて野菜が収穫された2021年11月以降、農民グループごとに毎月平均して30ドルから60ドルほどの売り上げに。中には100ドルにまで達したグループもあります。現金収入がほとんどない農民にとって、こうした収入創出の機会が大きなモチベーションとなり、さらに多くの野菜を栽培する意欲へとつながっています。

フェリシモ地球村の基金のご支援により、さらなる共有農地へのビニールハウスの設置が可能となり、併せてさまざまな農業研修を実施することで、今後、より効率的、効果的に野菜栽培ができるようになれば、それは、農民グループのメンバーひとりひとりが、安定した現金収入を得て生活を改善するための近道になります。また、野菜販売を通して、女性の農民メンバーが将来にわたり安定的に現金収入を得られるようになることは、女性の経済的な自立や、家庭内における立場の向上という観点からも、とても重要な波及効果となります。

収穫したばかりのトマトなどを市場で販売する農民グループのメンバー
アッサベの市場では、葉物類やトマトがよく売れます

東ティモール エルメラ県アッサベ郡 野菜の栽培環境改善事業
実施場所:東ティモール エルメラ県アッサベ郡の4村落12集落
実施期間:2023年2月14日~2024年2月13日(3ヵ年事業の3年次)
(うち、簡易ビニールハウス設置は2023年9月~2023年11月予定)
・プロジェクトの報告はこちら(中間実績
・ケア・インターナショナル ジャパンさまのその他の支援活動はこちらから

「フェリシモ 地球村の基金」より、世界をよりしあわせにするための9つの自立を支援するプロジェクトの応援投票を2022年11月1日から11月14日まで行います。

期間中、応援したいプロジェクトを選んで投票することで、そのプロジェクトを応援することができます。(投票の数は、各プロジェクトへの拠出金額の参考にさせていただきます)

➡ 応援投票は終了させていただきました。
みなさまから、たくさんの応援(投票)をいただきありがとうございました。

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