『枕草子』の犬と猫を、令和の世で愛でて!涙を流した「翁丸」と天皇の愛猫「命婦のおとど」のぬいぐるみ
史実を暗喩しているという噂もある平安の犬と猫を、しがらみない令和の世で、心ゆくまで愛でるためのぬいぐるみを作ってみました。
みなさま、こんにちは! 歴史と読書が好きな、フェリシモ「ミュージアム部」プランナーのささのはです。
みなさまに質問です! 平安時代における超有名な文学作品と言われたら、何を思い浮かべますか?
おそらく、紫式部の『源氏物語』と並び、清少納言の『枕草子』を挙げる方も多いのではないでしょうか?
以前ミュージアム部のグッズ「枕草子 四季のカーテンクロス」でもご紹介した、「春はあけぼの。」で始まることでお馴染みの、平安時代中期の女性・清少納言によって書かれたこの随筆。古文の教科書などで目にしたことがある方も多いかもしれません。
作者・清少納言は、一条天皇の皇后になった藤原定子に仕えていた女房でして、『枕草子』は主に「定子と、彼女に仕えた女性たちに起こった日々の何気ない出来事」が綴られたエッセイ作品にあたります。
しかしその中にひとつ、ひときわ異色な『上にさぶらふ御猫は』という段があるのを、みなさまはご存じでしょうか?
~『上にさぶらふ御猫は』のあらすじ~
パッと読んだだけでは「宮廷に縁深い犬と猫にまつわる騒動」といったお話に収まりそうなこちらの段。実は大変興味深い解釈がありまして……!
一部では『上にさぶらふ御猫は』は、藤原定子の近しい親族や、また彼女の血筋と敵対していた人物などにまつわる、史実にあった出来事を暗喩しているのでは?と囁かれているのです。
具体的には、関白の座を巡り藤原道長と争っていた、藤原定子の兄である藤原伊周が、弟・隆家とともに法皇に弓引いた事件「長徳の変」を起こし左遷された姿を「翁丸」に、事件を利用して伊周らを蹴落とした藤原道長を「命婦のおとど」に重ね合わせる……といった見方が有力だそうです。何よりも左遷された伊周と隆家は、最後には許されて都に戻ってきており、その展開も翁丸の運命によく似ています。
そんな興味深いエピソードと、それらを背負っている(かもしれない)かわいい犬と猫に、大変興味を持ったプランナー。
翁丸と命婦のおとどの存在に親しんでもらえる、きっかけになる何かを作りたい……!
そんな思いから、翁丸&おとどのかわいいぬいぐるみを作ってみました!
翁丸と命婦のおとどぬいぐるみのこだわりポイントをご紹介します!
【翁丸】
一条天皇をはじめとする周囲の人たちにたいそう驚かれた、「涙を流す犬」。
まさか、あんな恐ろしい未来が待ち受けているとは、露知らず……桃の節句のお祭りで、桃や柳を身につけて宮中をご機嫌に歩き回っていた姿を再現しました。
翁丸の外見について、今回は『宇治拾遺物語』にも登場する、藤原道長がかわいがり、彼の危機を救ったと噂の「白い犬」のイメージをビジュアルに落とし込んでみました。
【命婦のおとど】
一条天皇がまさしく猫かわいがりしていた猫で、「名前を付けられた猫」としては日本史上最古の記録に残る存在といわれています。
ちなみに命婦とは、「令制下で五位以上の位を持つ、中級の女官」のことを指すのですが、猫好きな一条天皇がおとどを宮中に出入りできるようにするべく、特別に身分を与えたのだとか!
そんな名前に相応しく、宮廷勤めの女房が持つ衵扇の装飾をイメージした耳飾りを付けた、命婦のおとどぬいぐるみ。ちょっぴり誇らしげにも見える、おすまし顔がキュートです。
命婦のおとどの外見は、同作に書かれた「背中が黒くてお腹が白い猫」から着想を得、ハチワレ猫のビジュアルにまとめました。
ポーズや色合いなど沢山こだわった翁丸とおとど、後ろ姿もばっちりキュートな造形です!
耳もとのパーツは、それぞれ取り外し可能!
自分の手で翁丸と命婦のおとどを着飾らせてあげる、まるで一条天皇や宮中の女房になったかのような貴重な体験ができます!
撫で心地抜群の微起毛生地の中には、もちもちの綿がたっぷり。ぷにっと触感がたまりません!
ペロッと出した舌も愛おしい……^^
ひざに置いて、かたわらに寄り添ってもらって、癒しのひととき……◎
藤原定子と清少納言、そして彼女たちを囲む女房たちが、翁丸や命婦のおとどを撫でながら楽し気に会話をかわす。
翁丸ぬいぐるみと命婦のおとどぬいぐるみをお迎えして、かつて宮中に存在した、華やかな輪に加わったような気分に浸ってみませんか?
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