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きゃふんきゃふん仙厓犬パスケース【福岡市美術館コラボレーション】#江戸わんこシリーズ①

仙厓さんの禅画《犬図》から飛び出したかわいい犬が、暮らしの中できゃふんと活躍するグッズに変身!江戸アートわんこシリーズ第1弾。

みなさま、こんにちは。フェリシモ「ミュージアム部」のなりちゃんです。今回は、福岡市美術館×ミュージアム部のコラボレーションで生まれた「江戸わんこがきゃふんきゃふん  仙厓犬パスケース」についてご紹介します。

まずは、企画に至った背景からお話させてください。
大学での美術史専攻も、ふだんのミュージアムめぐりも、西洋美術や現代美術贔屓だった私ですが、近年「日本美術っておもしろい!」と、その自由な魅力にどんどん夢中になっています。海外からの作品貸与が難しい世情で日本美術企画展の鑑賞機会が増えたこと、ミュージアム部の活動でメンバーに影響を受けたこと、美術検定1級受験のために東西通史を学び直したこと……などなどで、日本美術熱がもりもり高まっていました。

「きゃふんきゃふん」のわんこにメロメロ!

そんな中で、見るほどにしみじみ心をつかまれてしまったのがこちらの作品!

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仙厓義梵せんがいぎぼん(1750~1837)《犬図》江戸時代19世紀
紙本墨画 縦25.7 横35.8 福岡市美術館蔵(石村コレクション)

おなかのあたりを紐でくくられた一匹の犬。少しうつむいた表情はどこか寂しそうにも見えますが、「きゃふんきゃふん」という鳴き声もあいまって全体に愛らしさがまさっています。ほぼ一筆で描かれた簡略な表現ですが、真似してみると意外とむずかしい。というのも、なんとこの犬、尻尾から描き始められているそう。しかも元から「上手く描こう」とはしていないというんです。こんなにシンプルで、こんなにかわいい……。巧まず軽々と描かれたこのバランスと愛おしさに、すっかり虜になってしまいました。

福岡市美術館さんに作品の魅力について教えてもらいました

そこで、《犬図》を所蔵する福岡市美術館さんにご連絡することに。作者の仙厓義梵はどんな人なの?こんなに引きつけられる理由は? 福岡市美術館の広報担当・学芸担当のみなさまが快く応じてくださいました。

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この犬図を描いたのは仙厓義梵せんがいぎぼん。江戸時代に活躍した禅僧で、しかも日本で最初の禅寺である博多・聖福寺の住職を長年務めた大変に徳の高い人物です。

どうして禅宗のお坊さんがこんなに可愛らしい絵を?」とお思いでしょうか。実は、この仙厓さん、若い頃は全然作風が違っていて、真面目で近寄りがたい雰囲気の絵ばかりを描いていました。そんな彼に転機が訪れたのは、聖福寺の住職を引退した60代半ばの頃です。元々絵を描くことが好きだったのでしょうが、それに加えて、自身が厳しい修行の末に体得した悟りを、禅宗の知識を持たない一般の人々とも共有したい、という思いが芽生えていったようです。

特に仙厓さんが重視したのが、それぞれの立場や価値観の違いを越えて同じ思いを共有するということ。そこで、大きな役割を果たしたのが、この犬図のような愛らしい作品でした。この作品を鑑賞するのに特別な知識は必要ありません。ただ、犬の姿をみて「カワイイ!」と思うこと。それだけで仙厓さんの悟りに一歩近づくことになるのです。
(福岡市美術館 学芸担当さまより)

福岡市美術館さんのお話をお聞きして、仙厓さんの包容力にほっとし、ますますわんこに魅了されてしまいました。かわいさの奥にある意志。伝えたい心で描かれたからこそ、言葉を超えて受け手の心にも響くのでしょうか。

一方で「仙厓さん」と親しみをこめてお話されるのも印象的でした。39歳のときに美濃からやってきて没するまで、約50年を博多で過ごした気さくな仙厓さんは、今も「博多の仙厓さん」と広く愛されているのだそうです。

暮らしの中できゃふんと活躍するパスケースに

江戸時代にも、庶民から武士、大名までたくさんの人々に慕われ、絶えず訪れる絵を求める人たちにも気軽に応えてあげたという仙厓さん。そんな仙厓さんの生み出した犬図だからこそ、現代でもたくさんの方に暮らしの中で愛されるアイテムにしたい!

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そんな思いから、おなかの紐をリールに見立てて、日々活躍してくれるパスケースに仕立てることに。福岡市美術館のみなさまに試作品を見ていただき、「お顔のバランスがちょっとちがう?」「包帯を巻いているみたいに見えないよう、杭の部分も再現したい!」と愛あるご意見をいただいて調整し、最終仕様が完成。

きゃふん仙厓犬

リール部分を伸ばせば、杭にひもでくくりつけられた作中の犬の姿をぴったり再現!

仙厓犬

画面からそのまま飛び出してきたような、ふかふかダイカットの半立体仕様に。濃淡が味わい深い墨の描線は、刺繍やプリントで表現。

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「きゃふんきゃふん」の文字も、カードケース面のおしり部分に刺繍で表現しました。

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背中にはファスナーポケットをつけているので、小銭や切符、カードなどを入れて持ち歩くこともできます。

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リールの先にはナスカン金具が付いています。バッグの持ち手にスタンバイすれば、迷子犬にもなりません。ふと目が合うと、素朴でいたいけなまなざしにドキドキしつつも癒やされます。

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最長約65㎝のリールをシュルっと伸ばせば、カードのタッチもスムーズ。令和の改札を江戸のわんこがきゃふんと通り抜けます。

江戸のわんこと一緒に暮らしを楽しもう

「きゃふんきゃふん」と愛らしい江戸のわんこが、禅画から飛び出して便利でかわいいパスケースに。ぜひ、日々の通勤通学などにお供させてくださいね。

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ミュージアム部 江戸わんこがきゃふんきゃふん 仙厓犬パスケース
1個 ¥2,500(+10% ¥2,750)

このようなご時勢ですが、無理のないお運びの機会があれば、ぜひ福岡市美術館さんを訪問ください。

福岡市美術館

02_新アプローチ 外観北西面 0357
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福岡市美術館さんは、サルバドール・ダリやジョアン・ミロなど20 世紀の大作、青木繁など九州出身の近代洋画家の作品を含む近現代美術、黒田家伝来の大名道具などの古美術まで、約16,000点の幅広いコレクションを収集・保存。コレクション展も企画展も、精力的に行われているミュージアムです。
年末からは、話題の展覧会「ゴッホ展 響きあう魂 ヘレーネとフィンセント」も巡回展示されるそう。

福岡市美術館
〒810-0051 福岡市中央区大濠公園1-6
[開館時間]
午前9時30分~午後5時30分
7~10月の金・土曜日は午後8時まで開館
(入館は閉館の30分前まで)
[休館日]
月曜日/12月28日~1月4日
(月曜日が祝日・振替休日の場合は、その後の最初の平日)
※最新情報は公式HPをご確認ください。
※《犬図》を常設しているわけではありません。

(2023.6.15追記)
福岡市美術館ミュージアムショップでの「江戸わんこがきゃふんきゃふん 仙厓犬パスケース」の販売はございません

前期10月24日まで、仙厓わんこが東京に出展中!
「動物の絵」展@府中市美術館

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府中市美術館 開館20周年記念
動物の絵 日本とヨーロッパ ふしぎ・かわいい・へそまがり

[会期]2021/09/18〜2021/11/28
[会場]府中市美術館
※詳細は公式HPをご確認ください。

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