『神戸学校online』サロン2021年8月度【ゲスト:武邑 光裕さん〈メディア美学者・「武邑塾」塾長〉】

神戸学校
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サロン紹介

★月1回神戸で開催している「神戸学校」のオンライン配信サロン『神戸学校online』です。

★サロンに参加申し込みいただくと、当日のライブ配信と、後日アップする録画動画を見ることができます。

【ライブ配信】2021年8月28日(土)13:30~16:00ごろ
【収録動画配信】2021年9月10日(金)ごろにアップ予定
※配信は予告なく変更・終了する場合があります。
※配信はビデオ会議アプリ「Zoom」で行います。事前にPCまたはスマートフォンにアプリのインストールをおねがいします

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【2021年8月のゲスト】
ゲスト:武邑 光裕(たけむら みつひろ)さん〈メディア美学者・「武邑塾」塾長〉
テーマ:おしゃべりのルネサンス―GeniusからSceniusへ

14世紀のイタリアではじまったルネサンスは、ギリシア・ローマ文化の再生や復興を掲げた文芸運動ですが、端的にいえば神(宗教)の支配から離れ、人間の可能性を探求することが焦点でした。22世紀は、AIから人間へ、そして都市国家×インターネット国家の時代だと予測されます。
18世紀末にヨーロッパ各地で起こったロマン主義は、個々人の感性と卓越した想像力を主張した文芸運動でしたが、その根底には難しい公用語ではなく、生活者の口語であったロマン語による個人の内面や感情を描いた物語の登場がありました。これが後にフランスの文芸となった「ロマンス」のはじまりでした。
ヨーロッパには、「地獄への道は善意で舗装されている」ということわざがあります。現代社会、とりわけSNSを覆う正義の言葉狩り(ポリティカル・コレクトネス)やハラスメントの恐怖に怯え、人々はオンラインでのコミュニケーションに閉塞感を感じています。若者たちは独自の言語や絵文字、イメージを用いて、新たなコミュニケーションを開発しています。リモートワークが標準化し、オフィスやリアルな場所での「おしゃべり」や雑談が極端に少なくなってしまうことの真の問題は、はるか先にあります。それは、創造性と革新の性
質、これらのプロセスに物理的な存在が果たす役割、そしてオンライン・コミュニティの未来にもつながるからです。
1996年、英国のミュージシャンであるブライアン・イーノは、「文化的シーン全体の知性と直感」を表すために「scenius(シーニアス)」という言葉を作り出しました。イーノは、最も重要な文化的および知的進歩は、多くの場合、リアルな場所やシーンを起因とし、一種の集合的な魔法を引き起こした大勢の人々の産物であると主張しました。これらの集合体は部分の合計以上のものになり、それによって彼らはこれまで考えられなかった進歩を遂げることができ、私たちを未来へと加速させたのです。
イノベーションの「孤独な天才(Genius)」モデルを促進するのではなく、私たちはシーニアス・モデルに集中すべきだとイーノは言いました。場の持つ役割の多くは、私たちの雑談やおしゃべりから生まれるひらめきや直感です。これが消えていく社会に未来はありません。
英語で「おしゃべり」はChatと言います。オンラインチャットではなく、人々がリアルに集い、雑談やむだ話から生まれる交流です。実は、この何気ない出来事が次の100年を左右するイベントなのです。おしゃべりをどう持続可能とし、担保できるのか、神戸のシーニアスとなる皆さんと考えます。

プロフィール:
日本大学芸術学部、京都造形芸術大学、東京大学大学院、札幌市立大学で教授職を歴任。1980年代よりカウンターカルチャーやメディア論を講じ、VRからインターネットの黎明期、現代のソーシャルメディアからAIにいたるまで、デジタル社会環境を研究。2013年より武邑塾を主宰。著書『記憶のゆくたて―デジタル・アーカイヴの文化経済』(東京
大学出版会)で、第19回電気通信普及財団テレコム社会科学賞を受賞。2017年、Center for the Study of Digital Life(NYC)フェローに就任。著書に『さよならインターネット GDPRはネットとデータをどう変えるのか』(ダイヤモンド社)、『ベルリン・都市・未来』(太田出版)、新著に『プライバシー・パラドックス データ監視社会と「わたし」の再発明』(黒鳥社)がある。現在、ベルリン在住。

[期間]
2021.08.16 〜
[参加料]
500円(非課税)

フェリシモIDをお持ちでない方はこちら

サロン詳細

【『神戸学校online』について】
・毎月、神戸の会場で開催しているメッセージライブ「神戸学校」をライブ配信または録画配信するものです。今月はリアル会場とオンラインの同時開催となります。
・神戸学校のご参加料は、「あしなが育英会」を通じて、全額が東日本大震災遺児の方々の心のケア活動に活用されています。
・「ライブ配信」「録画配信」の動画ページの映像を撮影、録画、録音、複製、転用することを固く禁止します。

【神戸学校とは】
神戸学校は1995年の阪神淡路大震災をきっかけに株式会社フェリシモがスタートした講演会です。「崩壊した建造物の修復はできない我々にも、人々の心の復興につながるようなことならできるかもしれない。」そう考え、神戸発未来へ「経験と言葉の贈り物」をコンセプトとした講演会(メッセージライブ)を開催しようということになりました。
神戸学校にお招きする方々は、各界でご活躍のオーソリティーです。神戸学校では、「生活デザイン学校」として、神戸の人々や神戸に集う方々が、神戸学校での発見をとおして豊かな生活を積み重ね、豊かな人生を送ることを目指しています。開始以来、200名以上の素晴らしいゲストを毎月お招きしてまいりました。2021年1月より神戸市にあるフェリシモ新社屋「Stage Felissimo」のホールで開催しています。
2021年度のテーマは「22for22」。しあわせな22世紀をデザインしていくには、私たち自身の未来に向けた行動が必要と考えています。

※神戸学校は、地域社会や、従業員の自己啓発に貢献したとして2004年に社団法人メセナ協議会主宰「メセナアワード 文化庁長官賞」を受賞しました 。

※神戸学校の参加料の寄付実積について>>https://www.felissimo.co.jp/s/kobe2007/2/

【ともにしあわになるしあわせ wish with】
神戸学校オンライン配信サロンは、フェリシモ「ともにしあわせになるしあわせ wish with」プロジェクトの一環として活動しています。このプロジェクトは、新型コロナウイルスによる多様な課題に対してみなさまとともに取り組むプロジェクトです。その取り組みを通じて、みなさまご自身が、まわりの方とともにしあわせな生活文化を育み、未来の暮らしを作っていくことを応援します。

[期間]
2021.08.16 〜
[参加料]
500円(非課税)

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