今回の物語は、いつも以上にドラマチック

こんにちは、日本職人プロジェクトリーダーの山猫です。

日本職人プロジェクトのひとつ、「 Stories (ストーリーズ)」は、たった1人の「好き」「欲しい」に寄り添い、物語のあるものづくりを大切にしています。

そんなストーリーズから新たに生まれた、WEB限定の「 Stories (ストーリーズ)」。8つのアイテムに込められた、8つの物語をご紹介します。

今回はファッションスタイリスト・村上きわこさんとのコラボアイテム。村上さんの直感から生まれたドラマチックな運命の鞄と、お裁縫ケースを紹介します。

ラベンダー色の革に、運命の光

これまでも、さまざまなアイテムを一緒に作ってきた村上さん。新しい鞄の企画のために、革が生まれる現場を見に行こう!という話になり、村上さんと日本職人プロジェクトメンバー山猫&MOEで革のなめし工場を訪れました。

革なめしに使われる巨大な木製ドラム。ここに革と水、なめし剤を入れて回します。

姫路にあるその工場を見学し、最後にいろいろな革を見せてもらっているときのこと。村上さんが工場の隅に大量に積み上げられていた、ラベンダー色の革に目を留めました。

実は、その革はコロナ禍により出荷の予定がなくなってしまい、なめしの途中で加工をストップしていたもの。やわらかな風合いを残しながら、美しいラベンダー色をまとったその革に一目ぼれした村上さんは、「これ、使ってもいいですか?」とリクエスト。工場の方も、行き場を失った革を活用してもらえるならと喜んでくださり、新企画はこの革を使って進めることになりました。

色とりどりの革が並ぶ工場。これら大量の革の中から、村上さんはラベンダー色の革と運命の出会いを果たします。

「加工しすぎると、もったいない」

美しいラベンダー色の革を使って作ることになったのは、村上さんコラボの名作「エチューデントバッグ」。行き場のなかった革の運命が一転、大人気アイテムに生まれ変わることになりました。
村上さんが大切にしたのは、革の風合い。工場で見たのはまだ加工の途中で、本来はそこから顔料をふきつけてムラやキズをカバーします。でも村上さんは、「工場でふれたときのやさしい手ざわりが魅力だったので、顔料で均一に仕上げてしまうのがもったいない」と力説。その直感を信じて、革のやわらかさを残しながら最終の仕上げをすることになりました。

村上さんに見つけてもらって、いいところを生かしてもらったしあわせな革。

顔料で極端に革の表情を整えすぎず、革の銀面のシワやキズなどをそのまま生かすため、色ムラも多く残ります。でも、あえて均一にしないほうがひとつずつ個性と特別感があっていいのでは、と村上さんと相談しながら企画を進行。試作を繰り返し、何度も調整し、最終的に革の持ち味をなるべく残したラベンダーカラーの革材が完成しました。我々プロジェクトメンバーもドキドキするチャレンジでしたが、仕上がったバッグを見ると、「あの革で良かった!こんなにおしゃれに仕上がった!」と驚きました。

革をなめす職人さんとスタイリストさんが出会い、つないだその想いをカタチにして世の中に届ける。作り手から使い手へ物語は手渡され、ずっと続いていくんだなと実感できた出来事でした。

意外と合わせやすいラベンダー色

これまで黒やグリーンなどさまざまなカラーが登場しているエチューデントバッグですが、今回は革がやわらかいので、いつもとはちょっと違う雰囲気に仕上がりました。ふわっと軽い質感で、よりやさしいイメージになっています。

フォルムはかっちり、でも素材のやわらかさで、これまでのバージョンよりやさしい雰囲気に。

内生地には引き締め色のブラウンをコーディネイト。インナーバッグも、ラベンダー×ブラウンのカラーリングでまとめました。このインナーバッグは取り外し可能なので、単体でバッグインバッグとしても使える優れもの。

開けたときもおしゃれなのが、村上さんの鞄。インナーバッグは、村上さんシリーズで共通して使えます。

手持ちでもショルダーでも持ちやすく、ほどよいまち幅でA4ファイル、お弁当など収納力もたっぷり。薄くて軽いのに、ノートPCも入ります。ちなみに、耐荷重テストのためにノートPCを入れて事務所に掛けていたところ、他のスタッフから「このバッグ気になる!」と声を掛けられたことも。

まち幅もあるから、収納力もたっぷり。日常づかいにぴったりのサイズと容量です。

ラベンダーはどんな色とも相性がよく、実は使い勝手のいいカラー。モードにもクラシカルにもフェミニンにも、どんなスタイルにもハマります。

本革のショルダーベルトも細身だから、斜め掛けもカジュアルすぎず上品。バランスよく決まります。

差し色になるのに浮かない、どんな服装にも合わせやすい、持ったときにさまになる……など、ファッションスタイリストならではのアイデアがぎっしり詰まっているのがこのエチューデントバッグ。すべてが絶妙に計算されていて、本当にこんな鞄は他にない!と思います。
ちなみに、初代モデルの黒は今も村上さんが愛用中。ご本人もお気に入りのアイテムなので、おしゃれ感も使いやすさも間違いなし、です。(実は最近お客様からのリクエストで「黒色を復刻発売して欲しい!」との声が多くなってきたのでまた発売を検討しています)

村上さん私物の初代エチューデントバッグ。使い込むほど味も出て、いい感じに。

村上さんのお気に入りカラーが登場!

さらに今回は、ロングセラーのお裁縫ケースも登場。こちらも、村上さんが革の色と内生地を監修したスペシャルバージョンです。

実はこのお裁縫ケース、村上さんセレクトで3色のサンプルを作成していました。どの色を販売するか何度も検討した結果、ライムグリーン色が2021年の春鞄でデビュー。パッと華やぐ春らしいカラーが人気を博しました。

でも残りの2色もあまりに可愛かったので、このままではもったいない!と、今回WEB限定で販売することになりました。村上さんの一番のお気に入りだったミントグリーンも、お披露目します。

開けるたびにときめく、自分だけの宝箱

外国のレトロ家電や古い車をイメージしたニュアンスのあるカラーは、村上さんならではのくすみ感が絶妙。内生地も、たくさんの柄の中から村上さんが選んだリバティプリントを合わせました。「外の革の色と、中の花柄生地の組み合わせがすごく気に入っています」とご本人も太鼓判。

開けた瞬間、中から花柄がこぼれてハッとするほどの美しさ!一日何度も開け閉めしたくなります。
ミントグリーンとリバティプリントの色合わせの妙。開け閉めするしぐさまで美しく見えそうです。

「お裁縫ケースというより、大切なものを入れる宝箱の感覚で色を選びました」と言う言葉どおり、この組み合わせ、たまらなく素敵です!

手のひらにしっくり収まるサイズで、ペーパーアイテムやアクセサリーを入れたり、コスメや文房具の収納にも。2021年の春鞄で発売したライムグリーン色は、「姪っ子の髪飾り入れに」と話していた村上さん、今回の2色については「よく使うものだけを入れておこうと思っています。つい色々入れてしまいがちなんですけど、ごちゃごちゃするので。裁縫道具用、文房具用とか、分けるといいかも」と計画されていました。

何気ない日常が、物語になっていく

いつものことながら、本当にたくさんのアイデアで素敵なアイテムをカタチにしてくれる村上さん。日常の中で使うことで、暮らしが少し素敵になったり、何気ないことにときめいたり、そんな楽しみをもたらしてくれます。

村上さんの直感にしたがって誕生した鞄と、個人的にお気に入りというお裁縫ケースが、使う人のもとでどんな新しい物語をつむぎ出していくのか。100人いれば100通りの物語がはじまっていくことに、作り手の私たちも、ワクワクしています。

次回は、金沢の時計工房さんと作った「見惚れる腕時計」シリーズの新作をご紹介します。お楽しみに!

スタイリストと作った職人本革のエチューデントバッグ〈ラベンダー〉

1個 ¥29,800(+10% ¥32,780)

日本のモノづくりを通してたくさんの素敵な物語を伝えるために続けてきた「日本職人プロジェクト」。2004年のスタート以来、様々な魅力的な方の想いと共に「物」語るアイテムを誕生させてきました。

プロジェクトリーダー 山猫

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