運命の出会いは、長田の靴工場で

こんにちは、日本職人プロジェクトリーダーの山猫です。

今回ご紹介するのは、革製の編み上げブーツ。どこから見ても美しいフォルムに、思わず見とれてしまいます。靴の町として知られる、神戸・長田の靴職人さんたちと一緒に作りました。

神戸はもともと履き倒れの町といわれています。旧居留地に住む外国人の靴を修理したり、作ったりしたことが起源とか。特に長田は、今でもケミカルシューズや皮革などの靴産業が盛んです。

国産の革を使い、国内の工場で製造する、オールジャパンメイドの本革靴を作りたい。そう考えて、相談に向かったのが長田の靴工場でした。今から4年前、それが運命の始まり。理想の靴づくりにとことん付き合ってくれる、百選錬磨の職人たちに出会いました。

靴は特殊な機械を使う工程が多く、それを自由自在に操る職人さんの腕がキーポイント。細かい部分は経験値の高い熟練の職人さんがひとつずつ丁寧に仕上げ、機械と人の手で高品質の靴が誕生します。作業工程も分担が分かれていて、少なくとも11の工程を経てようやく完成。最初にデザインを決める際も、実際の生産工程を考えながら企画します。このときに、たくさんの職人さんにアドバイスをもらうことで、安定した品質のものに仕上げることができます。

長田の靴工場で働く職人さん。機械で作るのではなく、機械を使って人の手で作ります。手際の良い作業は見惚れるほど。

初代モデルは職人さんと、試行錯誤の1年半

目指したのは、「美しく見えるのに、幅広で楽に履ける革靴」。革靴は素敵だけど、きゅうくつで疲れるし、履きにくい……、ずっとスニーカーだったから、革靴を履くのがなんだか億劫に……などなど、まわりの女性のそんな声を聞いて、思いつきました。

理想の靴のために、靴の原型となる木型(原型)づくりからスタート。職人さんとアイデアを出し合い、何度も基本型の調整を重ねました。

試行錯誤を繰り返すこと、約1年半。細かいリクエストにも全力で応えてくれた職人さんのおかげで完成した初代モデルは、革靴らしい端正な表情と、革靴とは思えない履き心地が評判を呼び、大ヒットとなりました。

初代のレースアップシューズ。シリーズ名を「長田の本革靴」と名付け、インソールにゴールドの刻印を入れました。

「これ、本当に革靴?」

第一号のレースアップシューズの誕生以来、「長田の本革靴」として、さまざまなバリエーションが生まれました。どれも共通しているのは、革靴なのに、驚くほど履きやすいこと。細身に見えて、実は幅広・甲高の足もすっぽり包み、フィットします。かかとのホールド感にもこだわりました。

このシリーズはまわりのスタッフやライターさんもファンが多く、何年も手入れをして、大切に履いてくれている人がたくさんいます。

お客さまからも、「革靴は苦手だけど、これは履ける」「見た目と履き心地がぜんぜん違う、びっくりする」という声を多くいただきました。

初代モデルが本当に好評だったので、長田の本革靴シリーズはすべて、この初代モデルの木型をベースに作っています。だから、このシリーズはどの靴を履いていただいても、同じ履き心地なのが特徴です。

ラクだからスニーカーを選んでいた人も、この長田の本革靴ならきっと大丈夫。革靴のおしゃれを楽しんでもらえたらうれしいです。

ビットローファーやストラップシューズ、ブーティーなど、職人さんと一緒にいろいろなデザインに挑戦。

新作は長所だけを集めた、スペシャルブーツ

今回登場する編み上げブーツは、レースアップ、サイドゴアブーツ、ファスナーブーツのいいとこどり。シリーズ中でも特に人気の高かった3つの長所を取り入れた、特別仕様です。

まず見てほしいのが、きゅっとくびれた美しい足首のライン。まるで優雅な白鳥をイメージしたこのフォルム、後ろ姿まで完璧です。

レースアップですが、サイドのファスナーで脱ぎ履きできるからストレスなし。さらに、はき口にはつまみ革もつけました。履くしぐさまで、ぐっと美しく見えると思います。

つま先は、飾り革をW字型の切り返しで縫い付けたウイングチップデザイン。メンズライクな装飾ながら、さりげないアクセントで着こなしをクラスアップしてくれます。

足首が隠れるミディ丈で、パンツにもスカートにもよく合います。細身のすっきりしたデザインだから、カジュアルはもちろん、キレイ目スタイルにも。ほどよいヒール高と疲れにくいクッション性で、機能面もばっちりです。カラーはレッドブラウンと、クラシックブラックの2色。レッドブラウンはノスタルジックでやさしい雰囲気、クラシックブラックはきりりと上品な印象です。

靴を変えれば、日常はときめく

長田の本革靴が誕生して4年。技術やアイデアを惜しみなく注ぎこんでくれる多くの職人さんのおかげで、ありそうでない本革靴がたくさんの人に愛されています。これからも長田の職人さんたちと二人三脚で、日常をときめかせる本革靴を作り続けていけたら、と思っています。

好きな靴を履いていると、おしゃれが楽しくなったり、出かけたくなったり、寄り道や遠回りをしたくなったりします。

革靴とは思えない履き心地と、なんでもない日常が楽しくなる、そんな瞬間を体験してもらえたらうれしいです。

次回は、金沢の時計職人さん達と一緒につくった、初登場の「藍月の腕時計」をご紹介する予定です。どうぞお楽しみに!

※日本職人プロジェクト「特別号STORIES」の商品は、ご注文いただいてからひとつずつ仕立ててお届けします。
「特別号STORIES」 のお申し込み受け付けは終了しました。

※ 2021年6月下旬~7月下旬 お届け便のお申し込みはこちらから

長田靴職人が叶えた 理想の本革ウィングチップブーツ〈レッドブラウン〉

1足 ¥26,400(税込み)

長田靴職人が叶えた 理想の本革ウィングチップブーツ〈クラシックブラック〉

1足 ¥26,400(税込み)

日本のモノづくりを通してたくさんの素敵な物語を伝えるために続けてきた「日本職人プロジェクト」。2004年のスタート以来、様々な魅力的な方の想いと共に「物」語るアイテムを誕生させてきました。

プロジェクトリーダー 山猫

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